気がつけば「サブスク」はすっかり私たちの日常生活に浸透しています。
動画や音楽、本をはじめ、さまざまなジャンルで新しいサービスが始まっています。
私もサブスク愛用者の一人。
動画では Netflix や Prime video を愛用しています。
音楽では Spotify や Apple Music 等、一通り体験しました。
しかし、サブスクばかりを使うことには危うさを感じます。
今回の記事では、サブスクのなかでも電子書籍の読み放題サービスに依存することの危うさについて書いてみたいと思います。
サブスク対象書籍から選んでしまう
ほとんど全てのサブスクには一定のメニューがあります。
電子書籍の読み放題サービスであれば、対象書籍という枠があります。
つまり、サブスクの対象となっている書籍しか読むことができないということです。
当たり前といえば当たり前ですが、この性質に危うさを感じるわけです。
電子書籍の読み放題サービスでは、限られた本しか読むことができません。
また、「電子書籍の読み放題」である以上、電子書籍化されていない本も当然読むことができません。
ここで恐れていることは、サブスクの対象書籍の中から選んでしまう思考に陥ることです。
実際、私も電子書籍を選ぶ際にサブスク対象かどうかで選んでしまっていた節があり、相対的に単品購入の本の優先度が低くなっていました。
しかし、サブスク対象外の本にも、電子書籍化されていない本にも優れた本はたくさんあります。
また、サブスク対象外の本の中には、定価が高額であるゆえにサブスク化できない本もあるのだと推察します。
本の価格にも理由があり、単に営利のために高値を設定しているのではなく、その本が出版されるまでのコストが反映されています。
たとえば、学術書であれば、その本を出版するために莫大な研究費用が掛かっていることも考えられます。
高額な本だから読まないというのは機会損失です。
高いコストが掛かって完成した本には、それだけの価値があり、学びがあります。
サブスクの対象書籍から選ぶようになってしまうことには、追加でお金を払えば学べるはずだったことを学べなくなってしまうというリスクがあると考えます。
読書へのモチベーションが上がらない
本を購入することでモチベーションが上がります。
その理由の一つは、お金を払っているからです。
書店で本を選んでレジに運び、支払いをして本を受け取る。
この過程を経ることによって、お金を支払ったから読まなくては勿体ないと思うようになります。
少し話が逸れますが、これは電子書籍よりも紙の本が優れている点であるとも思っています。
ネットショッピングでは「買い物している実感」が得られにくいものです。
その結果、思ったよりも買ってしまって、後でクレジットカードの請求を見て驚愕するという事態にも陥ります。
直感的ではありますが、書店で紙の本を買うほうが「買った」という感覚が得られやすい印象があります。
お金を払って「買った」という感覚があると、元を取りたいという気持ちも強くなります。
あくまで私の場合ですが、電子書籍よりも紙の本の方が読破率が高いです。
読み放題では、「定額だし、まあいいか」となってしまい、本との向き合い方が変わってきます。
もちろん、サブスクにも月額でのコストがあります。
しかし、読書のモチベーションを保つという意味では、お得な月額がかえって厄介になることもあると思います。
たとえば、月額1,000円の読み放題サービスの場合、1〜2冊を読めば元がとれてしまいます。
そうなると、月に1〜2冊読めば良いことになり、元をとろうとする心理を利用することができません。
時は金なり。知識は金なり。金は金なり。
単品購入では金銭的コストは掛かりますが、モチベーションが上がって読書量が増え、知識や思考にプラスになるならば、それほどケチるようなコストでもないと思います。
仮に1冊1,000円の本を月に20冊の本を読んだとしても、月に2万円。
高いか安いかは個人の感覚によるものですが、過ぎた時間はお金で買えないことを考えると、そして自己投資と考えると、そこまで高額ではないと思います。
単品購入の方が本を選ぶ目が養われる
これは、特に紙の本を購入する場合の話ですが、電子書籍でも同じようなことはいえると思います。
書店で紙の本を買うときはかなり慎重な姿勢になります。
パラパラと本をめくってみて、裏表紙に書かれた定価をみて、買うかどうかの判断をします。
その結果、購入して家に持ち帰った本は限られた予算のなかで厳選されたものになります。
この「選ぶ」という過程がサブスクの場合は弱くなりがちです。
とりあえず読むことができるからです。
これはメリットであり、デメリットでもあると考えます。
メリットとしては、お金を気にせずに多くの本に出会えることがあります。
一方で、これはデメリットにもなり得るもので、多くの本のなかから選ばずに「とりあえず読む」ことで時間を浪費する恐れもあります。
毎日、多くの本が出版されていく中では、自分にあった本を選ぶことが大切です。
支払う金銭的コストがあると選ぶ姿勢も真剣になるもの。
本を選ぶ目を養うためには単品購入にも利点があると思います。
まとめ
サブスクは画期的なサービスです。
定額でたくさんの「作品」と出会うことができ、活用の仕方によっては視野を大きく広げてくれる可能性があると感じています。
しかし、○○放題に依存しすぎてしまうことには危うさも感じます。
サブスクが全てではなく、単品購入にも意義はあります。
ポジティブに、本を単品購入するメリットを箇条書きして締め括るとしましょう。
- 選択の範囲が「サブスク対象書籍」に限定されないため、自分のための本をより自由に選ぶことができる。
- 「お金を払って購入した」という実感を得られるため、読書に対するモチベーションが向上する。
- 金銭的コストを考慮して本を選ぶ必要があるため、真剣に本の内容を吟味して厳選することができる。
以上です。
ご清覧いただき、ありがとうございました!
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