非言語的通勤時間 – 音楽がもたらす静寂と創造

通勤時間、最寄り駅までの徒歩移動中に音楽を聴くようにしてみた。

一時期は、オーディオブックやPodcastなどの言語的なコンテンツを聴いていた時期もあったが、非言語的な時間を過ごすことの重要性を実感するようになったため、歩行中に聴くものを変えることにした。
最近聴いているのは歌のない曲なので、完全に非言語的なBGMである。

歩行中には言葉が頭に入ってきにくいということもある。頭に入れようと集中しようとすれば、交通事故に遭う危険性もある。

そして、言語的なものにふれる時間は、日々の仕事や読書、記事の執筆を通じて確保できている。
だから、通勤時間くらいは非言語的なものにふれて、バランスをとろうと考えた次第だ。

実践してみると、不思議な心地よさがある。
言語から解放されて、美しい音楽に程よく浸る。
心に安らぎやエネルギーを与えられる感覚は、言語的なものに頭を使っているときには得られないものだった。

そして、逆説的ではあるが、言葉から離れると、心の奥底から言葉が浮かび上がってくる。
ときに言語は感情や思想を表出するのを妨げるノイズになるのかもしれない。
非言語的な時間を過ごすことで、自分の中の言語を司る領域が自由になって、自然と言葉を吐き出し始めるような感覚があった。

音楽がもたらす静寂の中で、心は創造性を取り戻し、言葉を紡いでいくのかもしれない。

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この記事を書いた人

専門学校講師兼塾講師
大学院修士課程(社会科学系)修了

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