今回は、「愛」という漢字について考えてみたいと思います。
漢字の「愛」の由来について
「愛」の由来には諸説あるようですが、2つほど抜粋してみます。
「旡」「心」「夂」の組み合わせによる「愛」。「旡」は人間が後ろを向く姿、「心」は人間の心、「夂」は人の足を表します。つまり、「愛」とは「人がゆっくり歩きながら後ろを振り返ろうとする心情」を表した漢字なのです。
https://bookstand.webdoku.jp/news/2014/01/06/080000.html
「愛」の原字は「旡+心」です。「旡」は、「既」(いっぱいである)、「漑」(水をいっぱいに満たす)のように、「いっぱいになる」という意味があります。「心がいっぱいになる」つまり「胸一杯になって苦しい気持ち」を「愛」というとして、「切ない気持ちで足の進まないこと」を意味するという説明が『愛』の由来をあらわすものとして有力な1つのようです。
https://kinsencandy.jp/smp/freepage_detail.php?cid=593&fid=63
「旡」の部分のとらえ方によって、解釈に広がりがありますが、「人がゆっくり歩きながら後ろを振り返ろうとする心情」「切ない気持ちで足の進まないこと」といった内容では共通しています。
なにかに心を惹かれて、あるいは、満たされて、足が止まる心情を「愛」と表現していると理解しました。
愛の反対は憎しみではなく、無関心 *
という言葉に通じるものを感じます。
* マザー・テレサの言葉であるいう説と、エリ・ヴィーゼルという人物の言葉であるという説があるようです。
https://www.poc39.com/archives/3450
無関心であれば、足は止まらない。
「愛」があるからこそ、関心を向けて足を止める。
「愛」と「関心」は関連した概念なのだと考えます。
「心」という漢字について
「愛」と「関心」という言葉には、どちらも「心」が含まれるというのが興味深いです。
「心」については、昨日、note で記事を投稿しました。
今回は、漢字の「愛」について考えているので、「心」という漢字に関する部分をご覧いただきたく存じます。
漢字の「心」は心臓の形をかたどったもので、中国語では心臓の鼓動と精神作用が結びつけて考えられていた。
https://gogen-yurai.jp/kokoro/
「心」は心臓の形をかたどったもの。
言われてみれば、1・4画目が右心室・左心室、2画目が心室中隔、3画目の点が上大静脈……というふうに、心臓の形に見えてきます。
心臓の鼓動と精神作用の結びつきについて、昔から考えられていたというのもまた興味深いです。
確かに、「ドキドキして心臓の鼓動が早くなる」という感覚は、現代においても経験的に理解できるものだと思います。
心はどこにあるか?
現代的には頭を指さすのが正解のようにも思えますが、古くは胸のあたりを指すのが正解だったのかなと考えます。
いずれにせよ、「心」なくして「愛」はない。
身体的にも精神的にも、必要不可欠な心臓と心。
人にとって大切な部分が満たされた/影響を受けた状態を「愛」と表現しているのでしょう。
「愛」とは
「恋愛」というように人を対象とするイメージが強い「愛」ですが、「愛」の対象は生物(人を含む)に限らず、有形・無形のあらゆる事物が含まれると考えます。
このように由来を考えてみると、「そのことが気になって仕方がない」(≒無関心でいられない)ことを「愛」というのではないかという気づきに至ります。
(……と、言いつつも、この記事を投稿するのは 2月14日という特別な日付なのですが)
「愛」については、「恋愛」に限らず、幅広く考えても良いのかなと思います。
家族や友人、大切なもの、大切な趣味…‥
関心を向けるものが身の回りにあるとすれば、そこには「愛」があるのかもしれません。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] しかし、前回の記事で「愛」について語源から考えたこともあり、「恋」についてももう少し深く掘り下げて考えてみたくなりました。 […]
愛って良いですよね。
知り合いに愛ちゃんがいますが可愛いです💕