[ブログ] 書けない背景—書きたいこと・書くべきこと・書けることの3領域で考える

「書きたいことはあるのに、思うように文章を書けない……」

ブログ等で投稿を続けていくと、このような場面に直面することがあります。

頭には色々なことが思い浮かぶのに、いざキーボードを目の前にすると、思うように言葉が浮かんでこないのです。

これは何故だろう?

私なりにその背景を探ってみました。

目次

書きたいこと・書くべきこと・書けること

まず、以下の図のような3領域をイメージしました。

筆者作成

①書きたいこと、②書くべきこと、③書けることの3領域です。

一つずつ説明します。

書きたいこと

  • 頭に思い浮かぶこと
  • 日々思うこと
  • いつか書きたいと思っていること など

書き手本位のテーマ。

いわば「内発的動機付け」により「書きたいこと」といえるでしょうか。

内発的動機付けとは内面に沸き起こった興味・関心や意欲に動機づけられている状態のこと。動機づけの要因は金銭や食べ物、名誉など、外から与えられる外的報酬に基づかないものを指す。社会心理学者のデジによれば、内発的動機付けには有能感と自己決定感が強く影響するという。

https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000048/

書くべきこと

  • 仕事で作成する文書
  • 単位取得のためのレポート
  • 読者のニーズを想定した文章 など

読み手本位のテーマ。

こちらは「外発的動機付け」により「書きたいこと」と解釈します。

外発的動機付けは行動の要因が評価・賞罰・強制などの人為的な刺激によるもの

https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000030/

ただし、「書くべきこと」かどうかには価値判断が伴うものでもあるので、表現として適切であるかどうかは疑問に残ります。

その点では、この領域の定義の仕方については検討の余地があります。

書けること

  • 書き手の知識・経験・文章力等の要素によって決まる
  • 流暢に書ける内容

「書けること」を規定する要素については、以下の図に表しました。

筆者作成
  • 知識経験に基づき、思考して言語化する。
  • そのためには、語彙文章力が必要。
  • さらに、執筆のためには十分な気力・体力・時間・道具が必要。
  • また、インターネット上に投稿するためには、不特定多数の目にふれることに耐えられる自信が必要。

これらの要素によって「書けること」の範囲が決まると考えています。

書きたいこと」があるけれど……

①書きたいこと、②書くべきこと、③書けることの3領域が一致することは理想的ですが、なかなか難しいところもあります。

3領域の組み合わせについては様々なパターンが考えられるため、「書きたいこと」に焦点を当てて考えてみます。

  1. 「書きたいこと」だけど「書けること」でない
  2. 「書きたいこと」だけど「書くべきこと」でない
  3. 「書けること」だけど「書きたいこと」でない
  4. 「書くべきこと」だけど「書きたいこと」でない
  5. 「書けること」かつ「書くべきこと」だけど「書きたいこと」でない

おおよそ、このような場合が考えられるでしょうか。

それぞれの場合について考えてみます。

書きたいこと」だけど「書けること」でないこと

先程掲載した「書くために必要な要素」が満たされず、書けない状態です。

筆者作成

これらの要素を改善することによって、「書けること」が増えていくのではないかと考えています。

そのためには、行動・習慣の改善が必要。

以下の図に「書けること」を改善するにあたってプラスになる行動・習慣をまとめてみました。

筆者作成
  • 文章力・語彙・知識・思考等を高めるための読書(広義にインターネットによる情報収集等を含む)
  • 実践的に文章力思考を向上させる執筆
  • 知識・経験・思考・自信を向上させる実体験としての仕事家事趣味や人との交流
  • 体力・気力を養う睡眠・食事・休暇
  • 執筆環境を改善するため道具を調達する買い物など

ここで挙げた対応関係は一部であり、実際には各要素が相互に影響していると考えます。

「書きたいこと」だけど「書くべきこと」でないこと

書き手の書きたいことと読み手の読みたいことは、必ずしも一致しないものです。

この記事自体、「書きたいこと」優位に書いている節があり、ニーズがなければ「書くべきこと」ではないことなのかもしれません。

しかし、だからといって、「書くべきこと」ばかりを意識して「書きたいこと」を書けないというのも窮屈なものです。

「書きたいから書くのだ」という潔い姿勢で自由に書くこともまた、文章を書くことの醍醐味だと思います。

とはいえ、「書きたいこと」を書いていく上で悩むこともあります。

  • 批判に対する恐れ
  • 書くことの意義を見失う
  • 有限な時間を、他の「書くべきこと」に充てるべきではないかという迷い

また、誹謗中傷や嘘は「書くべきこと」でないのは言うまでもありません。

「書くべきこと」とは何か?という問いはまた漠然としたものであり、その点では自分自身の「書きたいこと」に自信を持つことができれば、「書きたいこと」と「書くべきこと」は一致するのかもしれません。

「書けること」だけど「書きたいこと」でないこと

ブログ等で継続的に投稿するためには、自分の得意分野で書くことは重要だと思います。

しかし、それだけではアイデアが不足したり、物足りなさが生じます。

「書くこと」を通じた成長を意識すると、現時点で「書けること」ではなくても、努力して書くことになります。

ここに一種の負荷が伴いますが、「書けること」に小さく収まらずに、知的好奇心と向上心を働かせて、より高度なテーマにチャレンジすることも必要だと考えます。

「書くべきこと」だけど「書きたいこと」でないこと

外発的動機付けによって文章を書く場面。

書くことによって外的報酬が得られるとしても、それが必ずしも自分にとって快適なもの、幸福なものであるとは限りません。

その場合には書くことが苦痛に感じられることもあります。

この場面にどう向き合っていくか……

割り切って「書くべきこと」を書くか、「書きたいこと」を追求するか。

書くことを仕事や学業としていく上では、どこかで求められる選択ではないかと思います。

「書けること」かつ「書くべきこと」だけど「書きたいこと」でないこと

たとえ、「書けること」としての条件が揃っていて、かつ他者から求められる「書くべきこと」であったとしても、主観的に「書きたいこと」でない場合もあります。

  • 自分自身のポリシーに反する内容
  • 有限な時間のなかで、自分の中での優先度が相対的に低い内容 など

「書きたいこと」を無視して書き続けるのもまた難しいものです。

まとめ

以上、文章を書けない場面の背景について考えてみました。

私見では、ブログ投稿という自発的意思に基づく行為では、「書きたいこと」に軸を置いて考えていくことが大切なのではないかと思っています。

「書きたいこと」を書くためにはどうしたら良いか、ポジティブに考えていきたいものです。

【アイデア】

書きたいけど書けない

  • 書けるように条件を整えていく。
  • 勉強したり、トレーニングしたり、生活習慣や行動を改善したり。

書きたいけど書くべきでないと思ってしまう

  • 「書きたいこと」について自信をつける。
  • オフライン・非公開も視野に入れて、書く媒体や手段を検討する。

ご清覧いただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

属性にとらわれず、自分らしく生きる道を選びました。

音楽やメイクを嗜みます。

ジェンダーレス志向です。
多様性が認められる世の中になることを願っています。

大学院修士課程修了(社会科学系)

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる